当社の製品に使用されている小千谷縮(おぢやちぢみ)は新潟県小千谷市周辺を発祥とする苧麻(ラミー)を使った最高級の麻織物です。平安時代から1200年の歴史ある織物産地で作られ、江戸中期に越後上布を更に技術改良した麻織物の最高峰になります。
小千谷縮は江戸時代に年間23万反の生産があり、当時の人気着物であり、憧れの織物であったと言われております。2009年にはユネスコ世界無形文化遺産登録と国際的にも大きな評価を受けております。
小千谷縮の材料である苧麻の特徴は吸水性、放熱放質性に優れており抗菌性もあることです。日本独特の気候風土である高温多湿の夏にはうってつけの素材と言えます。小千谷縮は横糸にやや強い撚りを入れ、苧麻特有の水の中で縮む性質を利用し、最終仕上げの段階で、小千谷縮をお湯の中で丹念に揉み込んでいく作業を経て、そして表面にしぼ(皺)形成し、丈夫でしなやかな布へと変化させます。
小千谷縮の上質な質感、さらっとした触感は他に類を見ない織物と言えます。現代の時代にも江戸時代の知恵が生かされた天然素材の最高峰として、今の時代にも通用する優れた機能性を持つ逸品であるといってもよいでしょう。
尚、当社は小千谷織物組合員として、産地の小千谷縮生産仕上げの60%を担っており、30代40代の若い職人も多く働いています。 昔ながらの伝統工芸と卓越した職人の技を守り、日本の誇る伝統文化を自分たちの手で継承していくために、 多くの課題を抱えながらも、挑戦を続けて参ります。